ドラム式洗濯機で風呂水を使うと水道代の節約につながる一方で、衛生面や機械への影響が心配な方も多いでしょう。ここでは、具体的なデメリットと発生しやすいトラブル、その対策やコスト試算まで、分かりやすく整理してご説明します。ご家庭の状況に合わせて判断できるようにポイントを絞ってお伝えします。
ドラム式洗濯機で風呂水を使うデメリットとは何か

ドラム式洗濯機で風呂水を使うと、機械や洗濯物、衛生面でのリスクが増える可能性があります。節約効果は期待できますが、手間や故障リスク、ニオイなどの問題も考慮が必要です。
洗濯機本体への影響
ドラム式は構造上、横ドラムの中で水と洗濯物が回転します。風呂水には皮脂や石鹸成分、入浴剤の残留物が含まれることが多く、これらが内部のゴムパッキンやホース、ポンプに付着すると劣化や異常摩耗を招くことがあります。特にゴム部分は汚れや成分で硬化しやすく、シール性が落ちると水漏れの原因になりやすいです。
故障の頻度が上がると修理費や買い替えのリスクが増えます。メーカーによっては風呂水使用を想定していない機種もあるため、取扱説明書や保証条件を確認することが重要です。日常的に使用する場合は、掃除頻度を上げるなどの対策が必要になります。
衛生面の問題
風呂水には皮膚から剥がれた角質や汗、微生物が混入しています。これらは時間が経つと増殖しやすく、洗濯槽内で雑菌やカビの繁殖を助長することがあります。特にぬるま湯のまま放置すると細菌の増殖が進みやすくなります。
また、入浴剤や保湿剤が混ざっていると、見た目には分かりにくいですが洗剤の効果を落とす場合があります。赤ちゃんや敏感肌の方の衣類を洗う際は、風呂水を避けるか、すすぎだけ水道水にするなど衛生を優先した方法をとると安心です。
洗濯物への影響
風呂水を使うと汚れ落ちやニオイ残りのリスクがあります。皮脂や入浴剤が繊維に付着すると、洗浄で完全に落としきれないことがあり、時間が経つと黄ばみや黒ずみ、独特のニオイにつながる場合があります。
色物や薄い色の衣類は特に影響を受けやすいため、衣類別に洗濯方法を分けるなど対策が必要です。頻繁に風呂水を使う家庭では、衣類の変色や傷みを早める可能性があると考えておきましょう。
光熱費とランニングコスト
風呂水を使うことで水道代は削減できますが、ポンプや追加のフィルター、洗濯槽のメンテナンス費用が発生します。ポンプは電力を使うため、導入後は電気代も増える可能性があります。
さらに、故障が増えると修理費用や買い替えコストがかかるため、単純な水道代の節約だけで得かどうかはケースバイケースです。長期的なトータルコストを見積もることが大切です。
使用制限とメーカー保証
メーカーによっては風呂水の使用を想定していない機種があり、取扱説明書で注意が記載されている場合があります。保証対象外となることがあるため、保証条件を事前に確認してください。
保証が無効になると、万が一の故障時に全額自己負担になるリスクがあります。製品の仕様と保証内容を理解し、自己責任での使用かどうかを判断しましょう。
風呂水を使ったときに起きやすいトラブルと原因

風呂水利用でよく報告されるトラブルは、ニオイ、黒ずみ、ポンプ詰まり、カビ発生などです。原因を知っておくと対策が取りやすくなります。
臭いや黒ずみの発生原因
ニオイや黒ずみは、皮脂や洗剤残留、入浴剤の成分が洗濯槽内に蓄積して微生物が繁殖することで起こります。放置時間が長いほど細菌や菌糸が増えやすく、特に湿気の高い季節は悪化します。
また、すすぎが不十分だと洗剤や汚れが衣類に残り、洗濯槽にも蓄積していきます。定期的な槽洗浄や高温洗浄を行うと発生を抑えられますが、完全にゼロにするのは難しい点に注意が必要です。
入浴剤や皮脂の影響
入浴剤は香り成分や油分、着色料を含むことがあり、これらが洗濯槽やフィルターに付着すると除去が難しくなります。皮脂は繊維や内部部品にこびりつき、時間とともに変色やベタつきの原因になります。
たとえば、保湿成分が多い入浴剤を使う家庭では、フィルターの目詰まりや洗剤の効き目低下が起きやすくなります。入浴剤の使用頻度や種類を見直すことも一つの対策です。
ポンプや給水経路の目詰まり
風呂水取り込み用のポンプや給水ホースには、髪の毛や皮脂、石鹸カスがたまりやすいです。これらが堆積すると吸水力が落ち、最悪の場合ポンプ故障につながります。
目詰まりは早期に発見して掃除すれば防げますが、放置すると修理や部品交換の費用が発生します。定期的な点検と清掃が重要です。
カビの発生メカニズム
カビは湿度と栄養源(皮脂や石鹸カス)と温度が揃うと繁殖します。風呂水にはこれらが含まれているため、洗濯槽内やゴムパッキンの隙間でカビが発生しやすくなります。
カビは目に見える黒ずみだけでなく、アレルギーや呼吸器への影響も懸念されます。発生したら早めに専用洗浄剤や高温洗浄で対処することが必要です。
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デメリットを減らすための具体的な対策

風呂水利用のリスクを下げるためには、掃除習慣の強化と給水経路の管理、洗剤やモードの工夫が効果的です。日常的にできる対策を紹介します。
洗濯槽のこまめな掃除方法
洗濯槽は週に一度程度、目に見える汚れやフィルターのゴミを取り除くと効果的です。月に一度は槽洗浄コースや専用洗剤を使った高温洗浄を行うと、カビや汚れを抑えられます。
掃除の手順例:
- フィルターや給水口のゴミ取り
- 槽洗浄モードで専用洗浄剤を使用
- 洗濯後は扉を開けて乾燥させる
これらを習慣化することでトラブル発生頻度を大幅に減らせます。
適切な洗剤と洗濯モードの選び方
風呂水を使う場合は、汚れや皮脂に強い洗剤や泡立ちが良くすすぎやすいタイプを選ぶとよいです。漂白剤や酵素系洗剤を適度に併用すると黄ばみや黒ずみの抑制につながります。
洗濯モードは「標準」よりも念入りに洗えるコースや、予洗いのあるモードを選ぶと安心です。また、すすぎを1回増やすだけでも洗剤残留やニオイを減らせます。
すすぎは水道水を使う理由
すすぎだけ水道水に切り替えると、最終的な洗浄効果と衛生面が向上します。水道水は塩素が含まれているため、雑菌抑制に役立ちます。風呂水の雑菌や成分が残ったままにならないよう、すすぎ段階で清水を使うのが効果的です。
可能なら「風呂水取り込み→洗い→水道水でしっかりすすぎ」の組み合わせを実践してください。これだけでニオイやカビの発生リスクがかなり下がります。
風呂水フィルターやポンプの選び方
フィルターは目が細かすぎず掃除しやすいものを選ぶと管理が楽になります。交換用フィルターや清掃用具が入手しやすい製品を選ぶと長期的に便利です。ポンプは静音性や吸引力のバランスを確認し、家庭の浴槽構造に合ったものを選んでください。
購入前にレビューや保証内容を確認し、メンテナンスのしやすさを重視するとトラブルを減らせます。
風呂水利用で節約になるかの実際の試算

風呂水を使うとどれくらい節約になるのか、具体的に試算して判断材料を示します。水道代だけでなくポンプや電気代、掃除コストも含めて考えることが重要です。
水道代の目安と節約効果
一般的な家庭では1回の洗濯で使う水量はドラム式で約50〜70リットル程度です。風呂水を使えばその分の水道代が浮きます。たとえば水道料金が1立方メートル当たり300円前後の場合、月に20回洗濯をして風呂水を全量利用すると数百円から千円程度の節約になるケースが多いです。
ただし地域差や水の使用量によって変わるため、お住まいの料金単価と実際の使用量を確認して計算してください。
ポンプや電気代を含めたコスト比較
風呂水用ポンプは数千円〜数万円、電力消費は稼働時間が短いため比較的小さいですが、積み重なると節約効果を相殺することがあります。さらに洗濯槽の追加メンテナンスや洗剤の多用による費用も加味してください。
実際の比較例:
- 水道代節約:月500〜1,000円
- ポンプの減価償却+電気代:月200〜500円相当
- 追加メンテナンス費用:月換算で数百円
これらを合算してプラスマイナスを判断します。
世帯人数別の節約シミュレーション
世帯人数が多い家庭ほど洗濯回数が増え、風呂水の節約効果が大きくなります。単身世帯では導入コストを回収しにくいことがある一方、3〜4人世帯では回収が早くなる可能性があります。
簡単な目安:
- 一人暮らし:節約効果は小さめ
- 二人世帯:効果は中程度
- 三人以上:効果が出やすい
実際には生活スタイルや入浴のタイミングにも左右されますので、洗濯回数を基に試算してください。
節約と衛生のバランスを取る方法
節約を重視するなら、風呂水を「洗い」のみ利用し、すすぎは水道水にする方法がおすすめです。また、衣類の種類によって風呂水を使い分けることも有効です。定期的な槽洗浄やフィルター清掃を実施すれば衛生リスクを下げつつ節約を続けられます。
最終判断は家庭ごとのコスト試算と衛生への許容度を踏まえて行ってください。
まとめ:ドラム式洗濯機で風呂水を使うかどうかの判断基準
風呂水利用は節約効果が見込める一方、洗濯機本体や衛生面でのリスクがあります。判断基準としては、以下の点を確認してください。
- 洗濯回数と節約見込み(世帯人数)
- メーカーの仕様と保証条件
- 掃除やメンテナンスを継続できるか
- 家族に敏感肌や乳幼児がいるか
これらを総合的に勘案して、風呂水を全量使うか、一部(洗いのみ)にするか、あるいは使わないかを決めてください。適切な管理と対策を行えば、リスクを抑えつつ節約メリットを享受できます。
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